神経・筋疾患
封入体筋炎
Inclusion Body Myositis
概要
50歳以上の成人に好発する、ゆっくり進行する炎症性筋疾患。手指屈筋・大腿四頭筋の筋力低下と萎縮が特徴で、嚥下障害を合併することが多い。免疫抑制療法への反応が乏しく、現在有効な治療法が確立されていない。
+主な症状
- 手指屈曲力低下(把持困難)
- 大腿四頭筋萎縮・膝折れ
- 嚥下障害(誤嚥リスク)
- 緩徐進行性の筋力低下
- 転倒・歩行障害
- 前腕・下腿の筋萎縮
🔬原因・メカニズム
原因不明。筋細胞内にT細胞・マクロファージの浸潤と、タウ・TDP-43などの異常タンパク蓄積(封入体)が共存する。自己免疫機序と変性機序の複合と考えられている。抗cN1A抗体が約30〜40%に陽性。
🩺診断方法
筋生検(封入体:電子顕微鏡で管状細線維、光顕でrimmed vacuole)。CK軽度上昇。筋電図(筋原性変化)。抗cN1A抗体。MRI(筋萎縮パターン)。臨床的特徴(発症年齢・筋力低下パターン)による診断基準。
💊治療法
確立した有効治療なし。免疫抑制療法(プレドニゾロン・免疫グロブリン)は通常効果不十分。リハビリテーション(筋力維持・転倒予防)。嚥下障害への対応(食事形態調整・経管栄養)。新規治療(ビマグルマブ等)の臨床試験進行中。
📈経過・予後
緩徐だが不可逆的に進行。診断から10〜15年で歩行補助具・車椅子を要することが多い。嚥下障害による誤嚥性肺炎が生命予後を左右する。
🔬治験情報
この疾患の治験情報(ClinicalTrials.gov)
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